18.3.7 削剥比18%の利尻山【北海道:利尻町】

めがね使用
18-3-7-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1039。第18章図18.2.7火口はないが,火山原面の存在する成層火山(2.5万図「鴛泊」「雄忠志内」より)

北海道北部。利尻島。利尻山では火口は消失しているが,頂上のすぐ南西の深い凹地に火口があったと推定されている。鈴木氏によると成層火山の一般的傾向と して,火口はないが火山原面が残っている火山は削剥比が10〜20%のことが多く,形成末期の年代が1万〜10万年前だといい,この利尻山がそれに相当す るそうだ。利尻山は放射谷が深く,火山原面も断片的で,火山麓扇状地が発達している。左図の南部に新しい側火山が見られる(2つ?)ので,地形的に古い火 山である利尻山が「ランクCの活火山」にされているようだ。写真で見る利尻山は多くの針峰が連続したアルペン的山容がみごとだが,この図では頂上周辺の険 しい稜線と複雑な起伏を示す深い谷が印象的である。5mピッチの標高データで見たらどんななのか興味深いところだ。

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