18.2.58 三原山のカルデラと中心火口【東京都:大島町】

めがね使用
18-2-58-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1014。第18章図18.2.58キラウェア型カルデラと割れ目噴火(2.5万図「大島南部」より)

伊豆半島の東約20kmの大島の中央部。三原山を囲む,櫛形山-白石山-670峰-592.3峰-568峰・御神火茶屋-鎧端北東の稜線へと連なる環状の 山稜がカルデラ縁で,その内側の浅い皿状の低所が「キラウェア型カルデラ」(カルデラに玄武岩熔岩がたまったもの)である。本文では解説にまるまるTペー ジを割いているので詳細はぜひ書籍で。以下要点のみ。環状山稜外側斜面の復旧等高線を描くと,環状山稜に調和した同心円になり(白石山・二子山の側火山を 除く),低所に至るほど緩傾斜になるので,外輪山斜面は成層火山であると解される。「中央丘の三原山は,直径約750mの火口縁の内部に,三原新山と少な くとも2重の火口縁をもつので,小型の成層火山である」(少し文意が伝わりにくい)。火口底は平坦で露岩,熔岩湖によるであろう。ここから流れ出た熔岩流 は薄く,熔岩堤防も熔岩シワもつくらずカルデラ床をうめているので,玄武岩質であろう。ほかに剣ヶ峰の北にある北西―南東方向の小火口列,鎧端北の565 峰北西にある北西-南東方向の小火口列などについて言及あり。

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