18.2.56 富士山の中央火口と側火口【静岡県:御殿場市,小山町】
めがね使用
18-2-56-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1010。第18章図18.2.56中心火口と側火口(2.5万図「須走」「富士山」「印野」「天母山」より)

静岡県東部,山梨県境。富士山の山頂火口は直径約500mで火山体に比べて大きくないとのこと。左図を見て山頂火口が深いことと円形でないことにまず注目 した。次に宝永山(スコリア丘)西方の大きな凹地は1707年に噴火した際の宝永火口であり,この火口の西側には火山体がなく東側にスコリア丘があるの は,噴出物が偏西風によって東方にのみ堆積したためであろうとしている。宝永山周辺も写真で何度も見た場所だが,立体地図にするとまた趣が異なる。本文に あるように「この側火口はロートを斜めに切断したような楕円形で,その深さと断面形は南北方向でも東西方向でも非対称である」。まことにその通り。最後に 宝永火口の南東に2個の火口(凹地)があり,割れ目噴火であったことを示唆するとしている。以上要約終わり。なお富士山の山頂付近の傾斜と薩摩富士(開聞 岳)の傾斜(図18.2.53)を比較されたし。熔岩円頂丘だという薩摩富士の山頂付近がいかに急か,よくわかる。


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