18.2.52 恵庭岳の厚い熔岩流【北海道:千歳市】

めがね使用
18-2-52-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1006。第18章図18.2.52厚い熔岩流原の多い成層火山(2.5万図「恵庭岳」より)

北海道南西部。同じような大きさの2つのカルデラ湖のうち東側が支笏湖,西側が洞爺湖で,この図の湖は支笏湖。支笏湖には樽前山とここで扱う恵庭岳が,洞 爺湖には有珠山がある。さて恵庭岳には山頂火口から噴出した熔岩流原ないし熔岩尾根が主なもので6本,オコタン岬や大崎の沖合の海底にも熔岩流尾根が続い ている(鈴木氏は6本としているが,新旧合わせれば10本以上確認できそうである)。熔岩流尾根(または原)の間にある滑らかな緩斜面(低所)は両側の熔 岩流尾根(原)よりも古く,ガリーや浅い谷に刻まれているので,降下火砕物質や熱雲堆積物で構成されているであろう。恵庭岳による堰き止め湖であるオコタ ンペ湖の「東にはシワ状の微起伏をもつ緩傾斜な古い熔岩流原がある」。「よって恵庭岳では初期に降下火砕物質や熱雲堆積物,薄い溶岩で構成された単純な円 錐形の成層火山が形成され,その上に厚い熔岩流が何枚も流れて起伏に富む成層火山になったと解される」。図の北端に近いところで東西に伸びる尾根は支笏湖 のカルデラ縁で,オコタンペ湖の北の三角点968.0に連なる。20万図などで確認されたし。

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