18.2.43 福江の擬似単成楯状火山【長崎県:五島市】

めがね使用
18-2-43-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p996。第18章図18.2.43疑似単成楯状火山(2.5万図「崎山」より)

長崎県の西部,五島列島の福江島の東端に近い所。鬼岳はスコリア丘で,北方に開いた火口から北西へ,そして西へ「等高線の滑らかな屈曲に富む緩傾斜な熔岩 流原が広が」る。鬼岳の南方へも熔岩流原(本文では「南西方」にもと記載されているが,よくわからない。南東方の誤りか?)。鬼岳北東の標高点238と 251および火岳もスコリア丘で,それぞれの火口から熔岩流原が広がっている(指摘されなければ238付近の火口は考えつかないところだ)。「個々の火口 から四方に拡がる熔岩流原は楯状であるから,疑似単成楯状火山ともいえる」。「熔岩海岸には珍しい幅広い波蝕棚は,複数フローユニットの熔岩のクリンカー 部(アア熔岩表面のトゲや突起をもった小岩塊のこと。本文p983)が侵蝕されたのであろう」。図の南西端の黒鼻針メンドのトンネル坑口記号(よくも見つ けたものだ)は熔岩トンネルを示唆するとしている,そうか坑口記号は(人工の)トンネルにだけ使用するのではなかったのか。
 
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