22.0.37大井川河口付近(静岡県焼津市,島田市,吉田町)

22-0-37-
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1233。第22章図22.0.37から上流部への段彩図。

静岡県中部。5mメッシュ標高データ使用。等高線は5mごと。看板に偽りありだが,河口付近の平坦地を3D図化しても立体に見えないのと,主題である「掘 込港建設に伴う砂浜海岸の地形変化」は,書籍に掲載されている新旧地図の比較がいちばんであることから,ここでは大井川河口付近の全貌がよく理解できるよ うな広範囲の段彩図を示した。鈴木氏の解説の要約。扇状地海岸。大井川港と吉田漁港の建設後,その突堤までは堆積が進み,その先では侵蝕が進んで離岸堤が 建設されている。「離岸堤の効果が発揮されると,そこからの漂砂供給量が減じるから,その下流側で順に海岸侵蝕が進む。・・・その結果として日本の砂浜海 岸は,・・・沿岸漁業が自滅し,海水浴場も壊滅する。」左図では,見事な扇状地地形を堪能しよう。掲載されている明27応修の5万図では,網状流路をとる 大井川の河口は突出しており,「両岸に砂れきが運搬され,漂砂が激しいので扇状地海岸になっている」との解説がある。

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