22.0.29穿入蛇行谷における側刻災害(島根県美郷町)

めがね使用
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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1226。第22章図22.0.29穿入蛇行谷の谷底における側刻災害(2.5万図「石見小原」より)

島根県の中部。図の北東から南西へ流れるのは江の川。乙原南の島状丘は蛇行切断で生じたもの。乙原北部の畑地は古い中州で,蛇行切断に伴う下刻で段丘化 し,現河床との比高は約30mである。乙原北方の河川敷は標高34〜36mと読図され,江の川水面標高は明らかに30m以下なので,この付近は10m近い 水位上昇が時々起きているということになる(本文の表現では「比高10mの河川敷の発達は,10m以上の水位上昇が十数年ごとに起こることを示す」)。そ こで乙原や栗原を守る高い護岸工がある。乙原駅南西0.6kmの鉄道線路直下の崖が側刻されて,線路が流出したことがあるという。栗原対岸の線路直下も攻 撃部であり同様な側刻や,背後の急斜面からの落石などの災害を受ける可能性がある。

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