22.0.27飛騨川<木曽川支流>の谷壁侵蝕谷からの土石流(岐阜県白川町・七祟町)

めがね使用
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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4章p1225。図22.0.27欠床谷の谷壁侵蝕谷からの土石流(2.5万図「河岐」)。

岐阜県中東部。北から流れて西へ出る大河川は飛騨川。この飛騨川の「両岸に露岩が連続的に発達する。両岸の山地には山頂小起伏面が発達し,その周囲の遷急 線(侵蝕前線)の下方は急傾斜な谷壁斜面である。それを刻む2次谷と3字谷の谷壁には多数の露岩と小崩壊地が分布する。/ このような谷壁の侵蝕谷では土 石流が頻発する」とし,「また,尾根の先端部の急斜面な谷壁斜面からの落石もある」として,1968年の飛騨川バス転落事故(バス2台,死者104)につ いて11行にわたって説明している。15台のバスのうち2台が図の○印地点で待機中,東方の侵蝕谷から流下した土石流に直撃されたという。なお読図内容と して,飛騨川が欠床谷であることから,落石・土石流による崖錐・沖積錐は発達しない(残らない)ことを力説している。注:欠床谷とは,谷底が平水時の水面 幅とほぼ同じで幅狭く,常にまたは小規模の出水時にも谷底全体が冠水するような谷をいう。

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