22.0.20地震に起因した地すべりによる犀川堰きとめ(長野県長野市)

めがね使用
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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1221。第22章図22.0.20天然ダムを生じた地すべり地形の現在(2.5万図「信濃中条」より)

長野県北部。北東へ流れる犀川は信濃川の上流部の呼称(千曲川もそう)。以下本文より抜粋。「図中央の内山から西岩倉付近の地すべり地形は,1847(弘 化4)年5月8日の善光寺地震(M7.4)の際に形成され,その地すべり堆が犀川を堰き止めて天然ダムを生じた。その天然ダムは,高さ最大65m,湛水面 高度約470mで約40km上流まで湛水したが,19日後に一気に決壊し,高さ20mの段波となって河谷を流下し,谷口から善光寺平に広がる犀川扇状地の 全域に氾濫し,未曾有の大災害を起こした」。堰き止め湖によって数十ヵ村が水没し,決壊によって流失家屋810,土砂流入家屋2,135,流死100余人 となったという(これは宇佐美龍夫『日本被害地震総覧』による)。善光寺平は長野盆地のこと。「北部の藤倉付近と東部の桜井付近の地すべり地形も善光寺地 震の際に形成された」そうだ。

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