22.0.11河川の側刻に起因する地すべり(新潟県小千谷市)
めがね使用
22-0-11-3D
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1218。第22章図22.0.11河川攻撃部の側刻を根源とする地すべり災害(2.5万図「岩沢」より)

5mメッシュ標高データ使用。水面高さは正しくない。新潟県中部。図の矢印のすぐ南にあるトンネル付近では,信濃川に向かう斜面が地すべりを起こし始めた ため,直線状だった線路(もともとトンネル)を「地山に振り込んで」(地すべり土塊にかからぬよう南方へ曲げて,安定基盤内に)建設しなおした。かつて (今も?)地すべりの教科書に破壊時間が予知された例として紹介された現場だ。ここは信濃川の攻撃部であり,矢印先端部分(斜面末端部)は,<明44測> 5万図では川との間に砂れき州があったのに,<昭47修正>では顕著な側刻崖として記載されていることが本文掲載図に示されている。「この事実から明白な ように,この攻撃部の基部が側刻されて,攻撃斜面が不安定になりつつあったため,地すべりが発生した」。赤枠内では,「高場山付近の西向きケスタ地形が示 すように,ほぼ南北方向の走向で西落ちの軟岩層で構成され,全域に多数の地すべり地形が発達し,今後も地すべりが発生するであろう」。地質図によれば,赤 枠の南万では,走向が東西,南下がりとなっていて,これも見事なケスタ地形をつくっている。赤枠の北方では河岸段丘地形が発達している。蛇足になるが,ケ スタ地形は傾斜20度以下の場合に用い,傾斜20〜45度では同斜山稜,傾斜45度以上(突出!)のときはホッグバッグというのだそうだ(本文 p885)。

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