20.0.8小突起をもつが小凹地のない高台【山口県萩市】

めがね使用
20-0-8-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1169。第20章図20.0.8小突起をもつが小凹地のない高台(2.5万図「長門広瀬」より)

山口県北部。萩市街地の東北東約15km。千石台は,北から南へゆるく傾斜した小起伏面をもつ。多数の小突起はあるが凹地はなく,集落や畑はあるが水田は ない。高台を囲む急斜面には侵蝕谷がほとんどなく,周囲の高谷密度の山地との境界線は明瞭である。この境界線付近に@菅谷南の水田,A毛木山西の凹地形 (著者によれば380m等高線は凹地記号となるべきという),B深谷北東で509標高点西の凹所,のように千石台で閉塞されたような地形がある。「よっ て,千石台は極厚の熔岩流原であり,その北部の馬蹄形急崖と円弧状急崖は火口壁であると解される」(標高点509付近を指す)。なるほど,目の付け所が違 うものだ。ここまで推定できるのなら,ついでに熔岩流の厚さまで触れてほしいとエスカレートしそうになる。なお「図南東隅の神社のある丘は古いスコリア丘 であろう」。地質図Navi(20万図「山口及び見島」)にあたってみると,千石台は,阿武火山群の安山岩〜デイサイト熔岩,「吉部上」注記のある神社の ある山とその東の伏馬山はスコリア丘(著者の指摘どおり),ほかは第四紀の玄武岩熔岩,白亜系の堆積岩,白亜系の花崗岩などとなっている。

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