20.0.6紀伊山地の直線的鞍部列(三重県多気町)

めがね使用
20-0-6-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1165。第20章図20.0.6直線的な鞍部列および尾根遷緩点列(2.5万図「横根」より)

三重県中部。松坂市街地の南西約15km。本文を要約する。図のA〜Dの4列は直線的に並ぶ鞍部列および顕著な尾根遷緩点列である。A-A'列は急峻な尾 根と定高性のある丘陵との境界で,烏岳を通る東西方向の尾根にほぼ並行であり,A列を横切る谷と尾根にオフセットが見られないので,硬岩(北部)と軟岩 (南部)との差別侵蝕で生じたリニアメントであろう。
 B-B'列は,上出付近から東北東へ伸びる直線的な山麓線につながり,この列の西端部や上出西方で谷と尾根が右ずれのオフセットを示すので,右横ずれ断層の断層谷であろう。
 C-C'列は,列の南北とも北へ傾斜するケスタ地形が明瞭であうから,東西方向の走向で北下がりの傾斜をもつ成層岩の差別侵蝕によるものと解される。
 D-D'列は,三角点441.1付近の山頂平坦面が北に傾くので,古い断層沿いの差別削剥地形であろう。


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