20.0.7小突起と小凹地の共存する山地【広島県庄原市,神石高原町】

めがね使用
20-0-7-3D図

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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1168。第20章図20.0.7小突起群と小凹地群の共存する山地と小凹地のない山地(2.5万図「東城」より)

広島県東部。中国山地は吉備高原の一角。この図の4km西方が帝釈峡。カントリークラブのある台地状の小起伏面は,多数の丸みのある小突起と8個の小凹地 が群在している(8個というのはは本文掲載の昭48修測図。左図では等高線から3個のみ)。凹地に湖沼はない(左図では人工池であろうが2か所)。外縁を なす比高数十mの急斜面は「なめらかな凸型斜面であり,深い侵蝕谷がなく,周囲の山地と明瞭な崖麓線で限られる。小起伏面は大部分が草地であり,周囲の急 崖(凸型斜面)は広葉樹林であって,露岩が全くない。家屋は一軒もない。よって」ここは土壌で被覆されたカルスト台地と解される。周囲の山地(丘陵地?) についても,山頂小起伏面は,硬岩で構成される前輪廻地形(準平原の遺物)であり,基盤岩石は谷密度の差から場所により異なるだろう,などとしている。
図の赤枠西方にも小起伏面をもった台地がある。地質図Navi(20万図幅「高梁」)で確認するとここも石灰岩台地であることがわかる。それ以外の山地は,白亜系の安山岩,中新統の砂岩・礫岩などで構成される。このあたり一帯を帝釈台といっているようだ。