20.0.4北上山地北部の直線的急崖【岩手県九戸町】

めがね使用
20-0-4-3D図




鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院) 第4巻p1162。第20章図20.0.4山地内の直線的急崖(2.5万図「陸中軽米」より)

図 の西の折爪岳の小起伏面,その東は等間隔に開析谷が発達する東向きの急斜面,さらに浅い必従谷に刻まれた丘陵という配置をとる。接峰面では高度 450〜500mの間が直線的な急崖で,開析谷の河間尾根の先端が断層崖の三角末端面に類似している。主要な開析谷の谷口には同心円的な緩傾斜面である沖 積錐または侵蝕扇状地がある(標高点378付近,また枠外だが標高点362付近)。「よって」(この「よって」がよく理解できないでいる。ぜひ本文にあた られたし)「この直線的急崖は断層線崖であり,崖麓線から西側の山地は硬岩で,東側の丘陵はやや高透水性の中硬岩で構成されていると解される」。20万分 1地質図「八戸」によれば,西の折爪岳などの山体をつくるのは白亜紀の粘板岩・砂岩などで,東の丘陵部は完新統の火山灰が覆うが,その下には白亜系が分布 するようだ。地質図では断層は引いてないが,たしかに断層を引きたくなる。なお地質図では折爪岳の5km北方に,ここで推定した断層の延長方向の長さ 10kmにおよぶ断層が引かれている。