20.0.3室戸岬の直線的海蝕崖【高知県室戸市】

めがね使用
20-0-2-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1161。第20章図20.0.3直線的な海蝕崖(2.5万図「室戸岬」より)

高知県の東南端。左赤枠の南端から1km南方が室戸岬の先端である。図の東海岸に注目。南北に伸びる急崖とその基部に海成侵蝕段丘が発達する。段丘面は崖 錐と沖積錐に被覆される。旧汀線高度は約20m。その前面に波蝕棚,岩礁と離れ島。ここの直線的急崖は断層崖にも見えなくはない。しかし崖錐線の平面形 は,三津,六ヶ谷,高岡をそれぞれ中央部とする3個の湾入状の弧に区分できる。急崖の崖頂線と波蝕棚の外縁線もこの3弧に並走する。したがってこの急崖は 断層崖ではなく,海蝕崖であると解される。赤枠南西部の前面段丘崖にも湾入状の弧がある。


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