20.0.24 鞍掛山の円頂丘状山体【福島県田村市,郡山市】
めがね使用
20-0-24-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1183。第20章図20.0.24円頂丘状の山体と放射状の山腹尾根群をもつ山地(2.5万図「柳橋」より)

福島県東部。阿武隈山地の西部。郡山駅から東へ10km余の地点。赤枠の北東端”低地”の標高は450m,南西端”低地”の標高は440mである。隆起準 平原のような小起伏の丘陵地の中で鞍掛山と黒石山は熔岩円頂丘のような特異な形をしている。その山腹は放射状に発達する尾根で,尾根は長いのに谷が浅い。 「谷密度が低いので,山頂部は風化の進んだ高透水性の貫入岩体で構成されているであろう」。また「黒石山は,山頂部に多数の採石場があり,その地名からも 黒色の硬岩(例:斑れい岩)の貫入岩帯で構成された差別削剥地形と解される。鞍掛山も同様であろう」。火山原面や火山麓扇状地のような緩傾斜面がないから 開析された成層火山とは考えにくいことも述べられている。で,地質地図にあたるとまさにズバリ,鞍掛山と黒石山は斑れい岩,まわりは花崗岩であった。


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