20.0.20 花崗岩の滑らかな山腹斜面【鹿児島県肝付町】

めがね使用
20-0-20-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1180。第20章図20.0.20臨海の大起伏山地(2.5万図「稲尾岳」より)

鹿児島県南東部。大隅半島。一帯は中新世の花崗閃緑岩からなる。以下引用。「大起伏の山地には一般に深い侵蝕谷が発達する。ところが,大起伏の山地でも, 深い侵蝕谷が少なく,露岩も少なく,侵蝕前線も不明瞭で,全体として滑らかな山腹斜面をもつ場合がある。そのような山地は,蛇紋岩,風化の進んだ変成岩や 花崗岩,塩基性貫入岩などで構成された古い山地で,しかも地殻変動の少ない地域に発達する場合が多い」。その好例がここということだろう。しかし「ちょっ と目」には,赤枠右半分の最も高い稜線部(とくにその北側)は,切り立ったやせ尾根と深い谷が発達し,まわりの丸っこい小尾根の集合のような,一段と低い 山地とは異質に見える。ただ侵蝕抵抗の差は地質図には表れてこないので,これ以上の話はできないのだが


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