20.0.18 海へ向かう地すべり地【山口県長門市】

めがね使用
20-0-18-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1178。第20章図20.0.18海岸の地すべり堆群(2.5万図「長門古市」より)

山口県西部。図北部の海は日本海,南西部の海は油谷湾。赤枠内では妙見山から雨乞岳に連なる尾根以外はほとんど地すべり地形のようだ。青村の東方および東 立石の東方では,地すべり堆が半島を形成している。西山すぐ北西の新しい地すべり地形は,滑落崖が「がけ(岩)」であること,東縁の最下部が地すべりと同 方向の岩脈尾根(らしい岩礁と離れ島)となっていること,からキャップロック型の地すべりであろう。後畑南方の数個の小突起は地すべりによる流れ山であろ う。妙見山から東に伸びる尾根は硬岩で構成され,その下位に地すべりを起こしやすい軟岩たとえば泥岩層が存在する可能性が高い。以上のように解説してい る。地質図Naviで確認すると,たしかに妙見山からの尾根そのものが玄武岩のキャップロックとなっていて,その周りは砂岩泥岩の分布地である。西山すぐ 北西の滑落崖はキャップロックではなさそう(普通に泥岩)だが,東縁の岩礁は岩脈と記載されている。


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