20.0.17 海岸段丘か火砕流台地か【鹿児島県垂水市】

めがね使用
20-0-17-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1177。第20章図20.0.17火砕流台地(2.5万図「桜島南部」より)

鹿児島県中部。鹿児島湾の東岸,桜島のすぐ南。山地と海岸の間に広がる台地が,海岸段丘か火砕流台地かという問題である。鈴木氏は次の5つの観点から火砕 流台地であると推論する。すなわち,@台地の接峰面が海側に緩傾斜,A「奥行き」が3kmある海岸段丘(単一面)はまれ,B台地と山地の境界線(段丘なら 旧汀線に相当)の高度が不ぞろい,C台地が畑・果樹園となっているのは高透水性示唆,D中股川左岸の「がけ(岩)」がほぼ同高度で連続,「がけ(土)」も 多いこと,以上5点(本文はもちろんもっと詳しく解説している)。もっと単純に,台地の表面が平坦ではなく緩い起伏があることから海成段丘と考えにくい, と結論するのはどうだろうか。


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