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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1175。第20章図20.0.14岩石海岸の地すべり地形(2.5万図「小田」より) 新潟県佐渡島北部。歌見川の谷口の下流は扇状地が段丘化したような地形にも見えるが,かなりの部分が地すべり堆。浦川(河川)やその南の沢の下流部は,低い海成段丘の上に発達した地すべり堆や沖積堆の末端が海蝕されて高台になったもの。 一方,平松付近は後面段丘崖の崖麓に崖錐が連続的に発達した平坦な段丘面。学校付近から南は旧汀線高度が約60mで,前面段丘崖は「がけ(岩)」記号,善 法寺乃離れ岩がある。学校付近から北は旧汀線高度が約40mで,前面段丘崖は低く緩傾斜,また護岸工がある。よって南は中硬岩で波蝕棚型の海成岩石段丘, 北は軟岩で傾斜波蝕棚型の海成段丘であろう。水田がないのは,段丘堆積物が薄く,高透水性の礫層だからであろう,などと推論している。なお,北松ヶ崎の水 田地区も地すべり堆であろうとする。ただ本文解説だけでは地すべり地形がよく理解しにくいので,別途NIEDの地すべり地形分布図を掲げておく。著者と同じ見方の図であるかどうかは何とも言えない。 ところで3D図(左)で一番気になったのが,図左端で南北方向に伸びるはっきりしたリニアメント。シームレス地質図ではこれに沿って断層が記入されている。(5万図幅が公開されていないので詳細な地質はわからない) 目次へ戻る 次の番号の図へ |