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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1151。第19章図19.3.6波長の長い活褶曲変位地形(2.5万図「舟形」より) 新庄の南8km。高校の地学教科書にも登場する変動地形として有名なところ。私は岩波科学の本『大地の動きを探る』(杉村新,1973)で知った。以下, 本文解説の要約。小国川左岸にある高度150m等高線に囲まれた段丘は,標高点161付近が最も高く,上流(逆傾斜)と下流(現河床より急勾配)へ傾斜し ているので活褶曲地形。他の段丘面も基盤の背斜部分で高く,向斜部で低くなっている。杉村氏自身の10年を隔てた2度の水準測量結果でも変動が継続中であ ることが示されるという(本文に解説図あり)。 上の図は高さ方向を強調しているが,これではよく分からない。そこで下に示すような段彩図を作成してみた。 |
私が本を読んで最初に感じたことは,どのような測線の地形測量をおこなったのかということ。測線の取り
方で段丘の縦断面形はいくらでも変わりそうだから。ここには5mメッシュ標高データがあるので,何十年か前に抱いた疑問を解くべく,図中に段丘のへりの部
分の比高を入れてみた。 現在の小国川河床縦断勾配を基準にして,右岸側の2つの段丘で上流側が低くなること(図の西部),右岸の低い段丘で凹部が見られること,左岸側の段丘で 中央部が高まりを示すことなどがよく分かる。疑問はたちどころに解消した。段丘の上を新しい扇状地堆積物がおおっていたりしていないか(あるいは段丘面を 侵蝕した気配がないのか)と要らぬ心配をしていたのである |