19.3.5 波長の短い活背斜尾根【新潟県長岡市】

めがね使用
19-3-5-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1150。第19章図19.3.5波長の短い活背斜尾根(2.5万図「長岡」より)

新潟県の中央部。越後平野の西縁。西側の丘陵を縁どるように北北東-南南西に伸びる平滑な尾根に注目。「西方の主分水界に発源する谷は,この尾根の西麓で 顕著に転流し,4本の先行性河川に合流する。油井が尾根頂部および山麓線沿いに並んでいる。よってこの尾根は短い波長(数百m程度)をもつ活背斜尾根であ り,その西麓に沿う低所は活向斜谷であると解される。平滑な尾根に顕著な天秤谷が発達していないことは,この活背斜尾根が低地の隆起で生じ,流路長約 1kmの河川が先行谷を形成する時間もないほど急激に変位したことを示唆する」。確か高校の地学の教科書にも紹介されたことがある有名な地形で,外国の研 究者が空撮写真を見て「新幹線背斜」なるニックネームをつけたという。なお天秤谷は本文p733〜744,p1147に解説があり,事例として図 13.2.7がある。谷地形の中にある水嶺によって左右に分けられる谷すじをいうようだ。

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