19.2.62 中国山地の断層線谷【岡山県:備前市】

めがね使用
19-2-62-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第4巻p1127。第19章図19.2.62断層線谷(直線谷)と穿入蛇行谷(2.5万図「横田」より)

島根県東部,松江市の南約30km。図の南部を穿入蛇行しながら西へ流れる斐伊川に比べて,図の北東部から西南西に流れる亀嵩川の直線性が際立っている。 この地域の山地は定高性をもつ老年期的な侵蝕階梯にあって,侵蝕谷は谷密度の高い樹枝状の河系模様を示す。亀嵩川の横断形はほぼ対称的。このような直線谷 は断層線谷である可能性がきわめて高いという。なお断層線谷とは,「古い断層が,差別削剥によって”掘り出されて”生じた谷」(本文p1126)をいい, 前出(19.2.59)の断層線崖とは「古い断層が”掘り出されて”生じた急崖」であり,断層運動による「初生的な形態」を残した断層崖とは区別されねば ならない。詳しくは原著で確認されたし。図の東端の反谷トンネル付近の北西-南東方向の直線谷についても言及がなされている。


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