19.2.46 天竜川沿いの段丘面の断層変位【長野県:飯島町】

めがね使用
19-2-46-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1112。第19章図19.2.46断層による段丘面の変位(2.5万図「赤穂」より)

長野県南部。伊那市と飯田市の中間付近。比高が小さい地域なので,他の図よりも高さを2倍に強調している(思い切り拡大すると凹凸が見やすい。たとえば200%に)。 5mメッシュ標高データ使用。発達する河岸段丘は,西方からの河川(中田切川,与田切川)による扇状地が,図の東南端の大河川(天竜川)の下方浸食作用に よって段丘化したもの。段丘面は6段,各段丘面には流路跡地がよく発達する。さて飯島町中心街のすぐ西を南北に走る東落ちの段差(北町の注記付近を通る) に注目する。扇状地の縦断方向断面形,段丘面の違いによる段差の大きさの違い(飯島15m,赤坂10m),この段差の北方への延長部の検討,などからこの 段差(本文では「急崖」)は,低角度の逆断層による断層崖であり,飯島付近は「流路跡地のオフセット」からみて左横ずれ成分約100mをもつと推定できる という。本当に2万5千分1地形図だけでここまで読めるか,という疑問はおいといて,根拠について本文で詳しく述べてあるのでぜひ参照されたし。「オフ セット」やその他の微地形をより読みとりやすくするために2mごとの等高線図も別途掲げた。


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