19.2.32 神吉の断層角盆地【京都府:南丹市】

めがね使用
19-2-31-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1102。第19章図19.2.32断層角盆地(2.5万図「殿田」より)

京都府の中央部。京都市から北西へ20km弱といったところ。図中央の盆地は「かつて盆地の北東側の山地を刻む河川の上流域となっていた南西側の山地が, 北東側に対して相対的に沈降した断層運動によって生じた断層角盆地であると解される」として,本文では@〜Fにわたって解説している。Eには,この盆地の 「北東縁を限る直線的急崖は南落ちの断層崖であり,その断層線はその急崖基部の直線的山麓線にそっており,実際には沖積錐および盆地底の下に隠れていると 解される」。さらにこの断層は垂直に近い高角の正断層で,変位量は200m以上,谷中分水嶺の位置からして断層運動は何度も繰り返しただろう,と記してい る。ぜひ本文を参照されたし。なお断層角盆地とは,断層で「河谷の下流側が隆起すると,谷底には一時的に凹地が生じるが,すぐに河川堆積物によって埋積さ れる。しかし繰り返す断層運動による変位が累積すると,広い凹地が生じ,ついには盆地になる」と説明されている(同書p1095)。

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