18.4.11 桜島火山南西麓の土石流【鹿児島県:鹿児島市】


めがね使用
18-4-11-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1069。第18章図18.4.1(活火山における)1土石流対策工事の結果(2.5万図「桜島南部」「鹿児島南部」より)

鹿児島湾内の桜島南西部。本文では,昭49修測と平10・11部修を比較して述べている。左図は平成15・16修正図から作成したもの。野尻川は成層火山 斜面のガリーに発源し,引ノ平熔岩円頂丘と古い熔岩流原の間を下刻する。この流域で発生する土石流は,砂防堰堤・導流堤で計画された方向に導かれる。持木 川の土石流も多数の導流堤で流路を固定されている。これらのおかげで野尻町や持木町へ土石流は襲っていない。しかし両川とも河口に扇状地が形成され,野尻 川では河口部に堆積物を積み上げた人工山があり(もと海抜5m以下の土地に高度30mの山),西部には護岸工もある(養漁場を守る?)。鈴木氏は末尾で 「この高価な’火山砕屑丘’を今後も高くするのであろうか。赤水西方では大正熔岩が大規模に採石されているが,人工山の砂礫を活用できないのであろうか」 と嘆いている。なお引ノ平北東0.3kmの凹地(大正の噴火口らしい)から流出した新しい熔岩流原には土石流が発生していない。

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