18.4.13 桜島東部の砂防工事【鹿児島県:鹿児島市】

めがね使用
18-4-13-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1070。第18章図18.4.13火山麓の砂防工事(2.5万図「桜島北部」より)

鹿児島県中央部。桜島火山の東麓。本文では昭57修測(図18.4.12)と平13修測(図18.4.13)の各図を比較している。左図の堰堤Aは地理院 の1974-78空中写真にはないので1980年頃の施工と思われる(昭57=1982年=修測にあり)。堰堤Bは昭57修測になく,平13修測に登場す る。本文「(この19年の間に)砂防堰堤の堆砂地はほぼ満杯となり,厚いところで10m以上も堆積した。そのため(中略)北方へ土砂が流下して,宇都(黒 神町)の集落を襲う危険性が生じたので,(中略)砂防堰堤(注:左図のB)が建設されたのであろう」。この地は今後も降灰が続くと考えられるので,堆砂- 河床上昇と「砂防堰堤のかさ上げのイタチごっこを避けて,海岸への土砂流出を促進」するのが得策であろうという。もちろん,黒神湊の堆砂防止策は必要だ が,とも。19年間に堆砂10mとあるが,B堰堤の南西500m付近の昭57地図等高線95m地点が平13地図では標高115m(最新の2.5万図では 110m)と読めるなど,かなりの地点で10mを優に超える堆砂となっている。


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