18.4.1 岩木山南麓の荷重沈下による変位地形【青森県:弘前市】

めがね使用
18-4-1-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1056。第18章図18.4.1火山麓の農業的土地利用(2.5万図「岩木山」)

青森県西部。津軽富士として名高い岩木山の南麓。ここでは「火山の農林畜産業」という小項目で解説がなされ,いくつかの理由をあげて火山原面は火山麓扇状 地より農業生産性が低い,開発された農地が放棄された例がある,と記している。地形に関しては,根ノ山から東北東へ伸びる緩斜面(水田やリンゴ園)に注目 する。結論を言ってしまえば,かつて大萩川が形成した河成低地が岩木山の荷重沈下に伴う隆起部となって現在は段丘状を呈しているものであるという(正確さ に欠けた表現かもしれない)。本文掲載の古い地図で「岩木実験農場」とある部分が新地図で「津軽カントリークラブゴルフ場」ほかとなっていることについて 「この土地利用の変更は,火山原面の特質を無視(あるいは実験的挑戦?)した農政の失敗か,それとも先(ゴルフ場建設)を見越した道路等整備事業であった と見るべきか」と皮肉っている。

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