18.3.9削剥の進んだ斑尾山(長野県信濃町,中野市ほか)

めがね使用
18-3-9-3D図

鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1040。第18章図18.3.9原形復旧困難な古い火山(2.5万図「飯山」」「替佐」「赤倉」「信濃柏原」より)

長野県北部。新潟県との県境に近い。本文を引用する。「斑尾山は放射尾根からみて古い成層火山と考えられるが,火山原面が残存せず,とくに西半部の開析が 著しい。古い火山麓扇状地(斑尾高原などの緩傾斜地)も開析されている。これ以上に開析されていると,火山の原形を復旧するのは無理である。山頂の三角点 の北西および南の谷頭部は火口位置を示唆する。なお,東麓の大池から土橋,下荒瀬原へと続く環状谷ならびにその南東側の小起伏地(大池北方の三角点 910.5や郷露西方の標高点865の丘)の存在は火山体の加重沈下(18.3.25参照)に伴う環状断層地形を示唆する」。これだけ開析が進んでいると いうのに,火口位置や環状断層地形を推定するとは,いつものことだが常人にはできない(決して皮肉で言っているのではない)。なお万坂峠・沼の原湿原を通 る東北東-西南西方向の凹地列は「南落ち活断層」ということだ。これは確かにわかりよい。

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