18.3.10 古い火砕流大地の開析【長野県:佐久市】

めがね使用
18-3-10-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1041。第18章図18.3.10古い火砕流原が開析された火砕流台地(2.5万図「信濃田口」より)
長野県東部にある佐久市のさらに東,群馬県境に近いところ。図で東西ないし西北西‐東南東に伸びる尾根の頂部小起伏地に注目する。@接峰面は西北西に緩傾 斜(本文の図に描画),A北沢と南沢はそれに必従的,B滑津川(図の北部)および雨川(同南部)に面した斜面では,この小起伏地を囲む急斜面に1〜2段の 急崖(「がけ(岩)」)がほぼ連続的に分布し,大局的には西北西に低下。以上より,「この小起伏地は東南東から西北西へ流下した複数クーリングユニットの 古い(第三紀?)の軽石流堆積物の開析された火砕流台地であり,「がけ(岩)」記号の急崖は熔結凝灰岩で構成されていると解される」としている。また「北 沢と南沢の河谷に急崖があまりないのは,両河川の下刻速度が小さいので,谷壁斜面において熔結凝灰岩の風化が進んでいないためであろう」という。地質図 Navi 20万分の1地質図「長野」によると,この地域は鮮新世の安山岩溶岩および火砕岩(一部デイサイト熔結凝灰岩)で,この図の東7kmにある荒船 山の頂部を構成するものと同じらしい。
目次へ戻る          次の図へ