18.3.19 仙台市西方の火山岩頸【仙台市:太白区】

めがね使用
18-3-19-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1048。第18章図18.3.19火山岩頸(2.5万図「仙台西南部」より)

宮城県中部。火山岩頸とは,本書によれば「火道を満たしていた熔岩や固結した火道角礫岩つまりその火口の最後の噴出物が,周囲の火山砕屑物が削剥された後 にも侵蝕に抗して残っている岩塔」のことで,それが熔岩でできている場合は火山岩栓という。左赤枠内に西北西-東南東に3つの円頂丘が並ぶ。以下引用。 「それらの周囲には,過去の火山地形を示唆する放射状の尾根群や水系もなく,定高性をもつ丘陵が広がっている。その丘陵は高谷密度であり,低透水性の軟岩 で構成されているであろう。よって,3個の円頂丘は,周囲の火山噴出物がすべて侵蝕によって除去された後にも残存している火山岩栓であろう」。解説はさて おき,本文掲載の「昭43修測」の図と左図があまりにも異なるので驚いた。本文図にある3つの地名はことごとく新しいものに変わっているし,亀ヶ森(昭 43では無名)は採石で地形が一変した。でもそれ以上に驚いたのは,採石にかかわらないであろう地域で昭43図の等高線が現行地図とかなり違っていること だ。今までにも昭和40年代の地図と現行地図を比較してきた(本文挿図の範囲を立体図で赤枠にして示すときなど)が,今回のように違いに戸惑ったことはな かった。実際に地形が改変されたのか,それとも昭和40年代の地図は精度がなかったのか。たぶん後者なのだろうね。ま,今更どうでもよいことではあるが。


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