18.2.38 男体山の熔岩堤防と熔岩舞台【栃木県:日光市】

めがね使用
18-2-38-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p991。第18章図18.2.38熔岩堤防と熔岩舞台をもつ熔岩流原(2.5万図「男体山」より)

栃木県西部。男体山の山頂火口の内部に生じた新しい火口から北方へ(途中で分岐して西へも)厚い熔岩流原がみられる。標高点1831の尾根の両隣の細い2 つの尾根(御真仏薙の西の尾根,標高点2082の尾根)は熔岩堤防。西へ分岐した熔岩流にも熔岩堤防が見られる。それぞれの熔岩流の末端には熔岩舞台。熔 岩舞台の末端崖比高70〜90mは熔岩のおよその厚さを示す。男体山は浅い谷に刻まれているだけなので新しい成層火山.。この熔岩流原は高度2000m以 下で周囲より盛り上がっている(高まり)ので,高度2000m以上の地区に古い爆裂火口が存在し,それを埋めて熔岩流が流下したのであろう,という。他の 論点は本文参照。なお図の西端湿地記号は戦場ヶ原の最東端。
左図は5mメッシュ標高データから作成。本文にある「それぞれの末端部は顕著な熔岩舞台であり,その上面に滑らかな熔岩シワや凹地がある」という内容が納 得できる。鈴木氏が5mメッシュ標高の地図を入手されていたら,解説がどう変わっただろうか。いつもながら「10mメッシュ標高」とは情報量が雲泥の差で ある。

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