18.2.26 入り戸火砕流による軽石流原【鹿児島県:霧島市】

めがね使用
18-2-26-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p978。第18章図18.2.26大規模な軽石流原(2.5万図「日当山」より)

鹿児島湾の最奥から北東へ約10kmの地。日本最大の火砕流台地すなわちシラス台地の一部。台地をつくる軽石流堆積物は入戸(いと)火砕流による。台地面 は開析谷によって大小さまざまな規模で分断されているが,全体として東から西にゆるく傾斜する。噴出源の姶良カルデラ(鹿児島湾北部)は南方だから,傾斜 方向は噴出源とは別方向。主要な河谷の谷壁斜面は@台地面から下へ50mが急斜面,Aその下方に「がけ(岩)」の急崖(比高50m),B凹型斜面,そして 明瞭な遷緩線を境にC浅い谷と水田の多い緩斜面,の4区間に大別される場合が多い。それぞれ@非熔結部,A熔結凝灰岩,B非熔結部または基盤岩,C崩落物 質,で構成されているであろう。北西の霧島川で小鹿野滝の上流に谷底低地が発達するのは,「滝頭が一時的局所的侵蝕基準面にな」っているためである。牧神 すぐ南の急流部も滝と同じ役割。なお春山原は「ハイヤマバイ」,須川原は「スゴバイ」と読むのだろうか。

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