18.2.21 雲仙平成新山【長崎県:雲仙市,島原市】

めがね使用
18-2-21-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p974。第18章図18.2.21平成新山形成後の地形(2.5万図「島原」より)

長崎県の南東部。島原半島。もともと雲仙岳は,妙見岳・国見岳を通る「環状山稜に囲まれた小型カルデラがあり,その内部に普賢岳の溶岩円頂丘があ」った。 1991〜1993年の噴火は普賢岳のすぐ東(水無川源頭部谷頭)で始まり,「ほぼ固化した熔岩がタケノコのようにせり上がり,次第に成長して溶岩円頂丘 を形成した」(平成新山)。「その成長とともに溶岩円頂丘の東部が断続的に何十回も崩壊し,その度に高温の崩壊物質が噴煙を上げながら谷底を高速流下し た。これはまさに溶岩円頂丘崩壊型の典型的な熱雲であった」。この熱雲堆積物は,稲生山(これも溶岩円頂丘)の北のおしが谷と南の水無川の谷を完全に埋積 し(最大厚さ150m),きわめて滑らかな熱雲原斜面を形成した。1991年6月の大火砕流で多くの犠牲者が出た北上木場町は稲生山の東南東約2kmであ る。

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