13.2.7 飯縄火山の河系異常【長野県:飯縄町】

めがね使用
13-2-7-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p736。第13章図13.2.7先行谷、天秤谷および天秤谷型の谷中分水界(2.5万「若槻」より)


長野市の北約10km。飯縄山の東の裾野の一角。以下本文の要旨。赤枠中央部には南から北へ舌状にゆるく尾根が張り出しており、この尾根を横断して東流す る小河川がある一方で、この尾根内に谷中分水界をもつ天秤谷が7ヶ所で認められる。この尾根の西側は湿地や池があり、霊仙寺湖は、過去の湿地につくられた 人工湖である。以上のことから、この尾根は背斜構造的な隆起体であり、その隆起に下刻が追いつかなかった河川は天秤谷を残し、それを合体させて流量の増し た(大きな)河川は隆起に打ち勝って先行谷を形成したのであろう。またこの撓曲的な隆起は図の西方にある飯縄火山の加重沈下に起因する、と解説している。

 火山が加重で沈下すること、沈下のせいで隆起する部分があること、これらは初めて聞くことで、なるほど、と思った。

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