13.1.18b 那賀川の生育蛇行b【徳島県:那賀町】

めがね使用1-1-18b 3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p703。第13章図13.1.18生育蛇行(2.5万図「桜谷」より)

前図13.1.18aのすぐ東に続く地域。剣山南面から流れ出る那賀川が激しく蛇行している。右岸に二つの蛇行核(本文では2つだが左図では左岸の大久保 を含めて3ヶ所)がみとめられる。横石付近の蛇行核は現在の那賀川流路とほぼ等しい幅の、段丘化した環状の流路跡地に囲まれている。流路跡地は背後からの 土砂供給や小河川の開析のため、過去の上流部が下流部よりも必ずしも高くなっていない。もう一つの蔭谷の蛇行核では、核を囲む環状の谷に平坦地がわずかし か残っていないが、谷の比高から考えてここは横石より古い蛇行核であって、蔭谷川などによって開析されたためと推定される。
  横石や大久保の蛇行核は一見してそれと気づくが、蔭谷の場合は地形図をぼんやり見ていてはわからない。いわれてはじめて合点!であった。本 文ではさらに一般に川の上流と下流で蛇行切断のおこりやすさの違い、蛇行波長の差、谷底低地の幅のちがいなどについて解説を加えている。

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