12.0.22 奥新川付近の遷急線【宮城県:仙台市太白区】

めがね使用
12-0-22-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p679。第12章図12.0.22新旧の侵蝕前線(遷急線)と遷急点(2.5万図「作並」より)

山形県境にも近い仙台市の最西部。図のすぐ西は面白山(仙山線のトンネルあり)、すぐ東は作並温泉。険しい山並みが連続する。この青線枠内の山腹斜面に遷 急線を引け、という問題を出されたらどうか。見渡しても引けるのは図北西の隅500m四方の太い(という表現でいいのか?)尾根部分くらいで、他の場所で は途方に暮れてしまう・・・のだが、鈴木氏の手にかかるとすべての尾根に(と言いたいくらい)遷急点をみつけ遷急線を引いてしまう。惹かれた結果(本文の 図12.0.22)を見れば、なるほどと思えるものの、左の3D図からその遷急線部分を探し出しても特別に意味のある「線」になっているような感じがしな い。学習者は迷うことなく本文解説を読むべし。南沢の注記付近では高度500m内外の侵蝕前線の連続がよく、南沢左岸中腹の林道はこの侵蝕前線の上方緩斜 面に設置されていて安定性がよい、また主要な尾根の頂部には小起伏面が発達し、それを縁取る遷急線も認められる、などが説明される。小起伏面は青枠を離れ ても広く分布していることが左図でわかる。40年も昔この林道を通って地層の観察をしたことがあったなあ。
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