12.0.11 兜流山西面の山地【青森県:深浦町】

めがね使用12-0-11-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p663。第12章図12.0.11段丘、丘陵おおよび山地(2.5万図「大間越より)

白神山地が日本海に面した所。本文では西から東へ、@五能線沿いの海成侵蝕低地、A高度約100m、約150m、約200mの3段の海成侵蝕段丘面、B起 伏量100m内外の丘陵、C河川からの比高300m以上の山地、が認められ、また丘陵と山地にも尾根頂部に断片的に小起伏面があるとする。段丘地形の存在 は容易に認められるものの、段丘崖と段丘面の区別がしづらく(隆起が間欠的でない?)3段といいきるのは左図からではむずかしいようだ。

そこで5mメッシュ標高データを使って左図を作成した。上図より少しは微地形がわかりいいが、劇的によくなってはいない。南から北へ段丘面の高さが一定で はなく、段丘区分は容易ではない。細かい波長の褶曲運動(地殻変動)が加わっているのだろうか。それはさておき本文ではさらに、海成低地が隆起すると低地 は段丘に、段丘がさらに隆起すると谷によって開析・分断され(段丘面の消失)、丘陵・山地になる、尾根や山地に段丘面が残存することがある、丘陵と山地の 形成には、土地の隆起運動とと開析の両者が不可欠であるとし、これらを学ぶことのできる好例としてこの図をとりあげている。
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