11.4.5 屈斜路湖中島の湖成段丘【北海道:弟子屈町】

めがね11-4-5段彩図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p645。第11章図11.4.5湖棚起源の湖成段丘(2.5万図「屈斜路湖」より)

屈斜路湖内のカルデラ火山で、成層火山とその火口内に生じた溶岩円頂丘である。本文の図と左図の等高線の入り方が違っていて、地形が変化したのか、地図の 精度がよくなったのかはわからないが、左図の段丘地形の分布は本文の説明図11.4.6とかなり異なっている。たとえば島の東北部の標高点291の東斜面 は地すべり地形で(私には判断できない)、末端には湖成段丘の平坦面はないと述べているが、左図では狭いけれども標高150m付近に明瞭な平坦面が認めら れる。図の南東部でも本文の図と等高線が少し違っている。それ以外は本文の解説にあるように、高度150m内外と同130〜140mに傾斜の変換線(旧汀 線に相当するのか?)をもつ、2段の湖棚起源の湖成段丘があることが左図でよくわかる。等深線を追うことで、島の周囲の水深約5m以浅に湖棚が発達してい ることがわかる。これが(相対的に)隆起すれば段丘になるのだな。

11-4-5-3D写真
2010年撮影の空中写真。樹林のせいで上の図より平坦面がわかりにくい。段丘面と思ったのは地すべりの末端部? また崖錘の堆積面? やはり現地でそれなりの証拠を見つけなければ。地形観察だけでは何も言えないのは当り前だが、ちょっと困ってしまった
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