11.4.1 与論島の海成段丘【鹿児島県:与論町】

めがね使用11-4-1-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p638。第11章図11.4.1サンゴ礁段丘(2.5万図「与論島」より)
 


 与論島の北端。以下本文の要約。裾礁起源のサンゴ礁段丘が4〜5段にわたって発達している。たとえば木根奈〜増木名の平坦面は、そののまわり を標高30〜40mの凸部(本文では尾根)がおおまかには海岸線と並走するようにふちどっている。この凸部は過去の裾礁の礁嶺であり、その内陸側の平坦地 は礁原であり、両者をワンセットとしてかつての裾礁と解される。図の東半分では同心円的に島の中央からまわりへ順次低い段丘が分布する。汀線高度は1面 (最高位面)で60〜40m、2面で40〜30mで北部が高く南部が低いのは差別的な地殻変動によるものだろう。

11-4-1-段彩図
(上のアナグリフでも地形の大まかはよく理解できるが、下図のような段彩図のほうがわかりやすいこともある)

 北部の賀補呂から西へ向かう道路が直角左へ(南へ)折れ曲がるところの西落ちの急崖(北北西-南南東にのびている)は断層崖であろう。また朝 戸のすぐ北を東西に走る北落ちの急崖も断層崖で、辻宮から南へのびる先の断層を横切ってさらに西へ伊伝・立長の北に連続しそうだ。以上要約終わり。なお本 文挿図(昭57修正版)には大小の浅い凹地が多数あるが、現在のマップ(平9)ではほとんどが消え去っている。サンゴ礁段丘では極めてまれと表現されてい る水田も現在は別な場所にわずかに残されているだけ
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