11.3.8 津田沼付近の下総台地と開析谷【千葉県:習志野市】

めがね使用11-3-8-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p632。第11章図11.3.8海岸平野起源の海成堆積段丘。図11.3.9海成堆積段丘と段丘開析谷および干潟の都市利用(いずれも2.5万図「習志野」より)


図のすぐ西は谷津干潟。図の南西端は東京湾埋め立て地。赤枠は図11.3.9の範囲。本文には昭27修正図と平9修正図が掲載されているので、左図(平 19)と比較すると土地利用の変遷がよくわかる。昭27には台地がほとんど未開発(畑や雑木の記号すらなし!?)だったのに平9では住宅がぎっしりである し、かつての袖ヶ浦(図の南西部)もこの間に完全に住宅地になった。さて図11.3.8では海成平野起源の海成堆積段丘の特質が@後面段丘崖なし A無従 谷的な開析谷の発達 B微起伏をもつ段丘面 Cがけ(岩)記号なし によくあらわれているという。また7.5mと5mの等高線の配列から海岸の集落の高度 が後の谷底低地より高いことにも注目している。左図は人工改変があったのちの現在の地形を示しているが、大きな開析谷はそのまま残っているようだ。

11-3-8-段彩図
上の図と同じ範囲の段彩図。凡例は用意しなかったが段丘面の最高点は標 高30mである。アナグリフ(上の立体画像)よりも谷地形がすぐに見て取れる。本文に述べられている段丘面上の浅い凹地はほとんど埋め立てられたのであろ うか、あるいは比高1m以下の凹地なのであろうか、段彩図でもほとんど認識できない。
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