11.3.3 海成の堆積段丘と侵蝕段丘【北海道:長万部町】

めがね使用11-3-3-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p627。第11章図11.3.3海成の堆積段丘と侵蝕段丘の並存(2.5万図「黒岩」より)


標高30〜50mの海岸段丘について@北部の連続方向は海に対して凹、南部は凸(海に張り出す形)、A段丘の幅は北部で広く南部で狭い、B縦断勾配は北部 で小さく(ほぼ平坦)南部で大きい(このBは左図ではわからない)、C段丘の開析は北部で大きく南部ではあまり進んでいない。以上から北部は堆積段丘で南 部は侵蝕段丘と推定している。その前にここの海岸低地についても北部で広く南部で狭いこと、背後の崖麓線の高度は北部で10〜15mであるのに南部で5m (以下?)であること、、などから北部は堆積性の浅海底が、南部は傾斜波蝕面が離水したものと推定できるとしている。さらにこれは基盤岩石の侵蝕抵抗の差 を意味するとして、北部は軟岩、南部は中硬岩であろうとまで記し、標高100〜120mの高位段丘が南部に多く残っているのも岩石制約と調和的とする。な るほど、そうでしたかと、ここでも脱帽。

  ただし鈴木氏は図の中央付近の標高点68の段丘面は海成段丘下位面に続く河成段丘としているが、左の立体視では高さがそろわないように見える。
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