11.2.26 臨海の河成侵蝕段丘【福島県:富岡町】

めがね使用11-2-26-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p618。第11章図11.2.26臨海の侵蝕河成段丘(2.5万図「磐城富岡」より)


福島原発から南南西7〜8kmの地域。比高30mの海食崖は「がけ(土)」記号で波蝕棚がなく離れ岩があるので、軟岩で傾斜波蝕面型の海岸と推定できると いう。さらに臨海の段丘面については「かつて河川が軟岩の丘陵を側刻しながら」「侵蝕低地ないし侵蝕扇状地を形成した。その河川が南に転流しかつ侵蝕復活 して、本岡付近の侵蝕低地を形成し、その低地は後に段丘化した」と解説している。その上で段丘礫層は厚さ3m程度と推定し、「狭い範囲の読図例であり、い ささか難題であるが、この推論の正否は、段丘開析谷での露頭観察で容易に実証されよう」と述べている。いつもどおり読図の達人に脱帽。

11-2-26-段彩図



赤青めがねは使用しない。
段彩図の方がよく分かることがある。左はその好例。
目次へ戻る          次の図へ