11.2.15 加茂川(千葉)の河成堆積段丘【千葉県:鴨川市】

めがね使用11-2-15-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p608。第11章図11.2.15蛇行原起源の河成堆積段丘(2.5万図「鴨川」より)

立体図は5mメッシュ(標高)データによった。ここは鴨川市街地のすぐ西で、加茂川・金山川とも幅の狭いがけ(土)記号の間を流れていることから、本文で は両岸とも河成段丘が広がると解説している。さらに本文は2段の段丘が認められ、上位面の前面段丘崖は比高5m、下位面のそれは1.5~2.5mと記載す るが、前面崖が1.5~2.5mで河岸段丘と認めていいのだろうか。増水時に簡単に浸水しそうに思える(谷底平野と考えるべきではないのか)。その前に比 高1.5~2.5mなどは2.5万図からの読み取りが困難であろう。5mメッシュ(標高)データで確認すると、下位面で比高3~5m、上位面は 10~15mである。3~5mであれば、「かなり深い」ので段丘崖としてもよいような気がする。さて出入りに富む山麓線と島状丘陵、蛇行切断を示す分離段 丘面(と書きながらどこのことかわかっていない)などから蛇行原起源のフィルトップ段丘と推定するのはいつもながら納得させられる。

11-2-15-段彩図
特別に段彩図をつける(標高1mごとに少しずつ色が変化しているはず)。本文の挿図(平9部修)当時と比べて水田の整備が進んだのであろう。矩形の段彩境界(等高線に相当)が目立っている。こんな作業をするときカシミール3Dはほんとに有用だ。
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