11-2-1 小本川(岩手)沿い低地の段丘化 【岩手県:岩泉町】

めがね使用11-2-1-3D図
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』第3巻p592。第11章図11.2.1(2.5万図「門」の範囲よ り)遷移点(滝)の後退に伴う谷底低地の段丘化

尾根・谷の配列など大きな地形はわかりやすいが、この図の主題である低地の段丘化という細部については、2.5万図から読みだした10mメッシュ標高 (※)ではやはり無理である。
 ※測量にもとづいた10mメッシュデータなら十分可能であろう。地理院では都市部を中心に測量にもとづいた5mメッシュ標高データを少しずつ公開し始め ている(もっと迅速に全国分を公開してほしいもの←無理を承知で)。私は自分の県内の分と興味ある地域の分はダウンロードしているが、全国には手が回らな いでいる。

11-2-1拡大地図
本文の挿図はモノクロでしかも原寸だから老齢の身には読みとりにくい。必要部分を拡大して次の図に示す。
要点は川(小本川)沿いの狭長な平坦地が大滝より上流(北西)では谷底低地であるのに対して、それより下流(南東)では段丘となっているということであ る。このことは図の崖記号等によってみごとに表現されている。地図の作成者の微地形へのこだわり(?)と読図者(鈴木さん)の観察眼の細かさに脱 帽・・・・。と書いたところで、右図左上端の学校付近の崖記号に気づく。たしかによい実例なのだろうが、この図を見る限り、大滝はそれほど大きい(高い) ものではなく、顕著な遷移点というわけでもないのかな?とも思う。

 
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