18.3.12倶多楽湖のカルデラ壁(北海道白老町)
めがね使用
18-3-12-3D図

鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第4巻p1043。第18章図8.3.12クラカタウ型のカルデラ壁の開析

北海道南部で室蘭の北東約25km地点。本文1011〜1013ページにカルデラの解説があるので参照されたし。それによればカルデラは「キラウェア型」 「クラカタウ型」「再生」「爆発」「侵蝕」に分類され,クラカタウ型は「多量の火砕流の噴出に起因する・・・破砕部の陥没」とされる。さて左図である。湖 の南東部(窟太郎山から「観光道路」注記まで)ではカルデラ縁は単純な円弧でカルデラ壁は滑らかな凹形谷型斜面,また外輪山斜面は同心円的な軽石流原。そ れ以外の地域では,カルデラ縁が出入りに富み,カルデラ壁には深い谷が生じ,その外側には先カルデラ火山群がある(「観光道路」注記の熔岩流尾根,四方嶺 〜北部の熔岩平頂丘群などらしい)。そこで「カルデラ壁の開析度の地域的差異は,先カルデラ火山噴出物と軽石流堆積物との,主として透水性の差異に起因す ると解される」と結論付けている。火山地形学者の細かな「眼」に感心するばかりだ。

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