16.0.59 広域変成岩の山地【高知県:大豊町】

めがね使用
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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p923。第16章図16.0.59広域変成岩で構成される山地(2.5万図「東土居」より)

高知県北部。西から流れる吉野川が北へ向きを変え徳島県に入ろうとするあたり。四国山地の真っただ中と言ってもよい。注目すべき点は次のとおり。@吉野川 の支流の南小川と赤根川が大局的には東北東から西南西へ流れていること,A東北東―西南西方向のリニアメント(三谷・赤根・八川の鞍部列など),B緩傾斜 な山腹斜面に水田が高所まで散在すること(散村,地すべり地形)。これらをもとに「この地域の地質構造は東北東―西南西方向の走向で,南に傾斜すると解さ れる。しかも,地質は,地すべりを起こしやすい異方性の顕著な岩石と露岩を成す硬岩の互層,すなわち結晶片岩などの広域変成岩で構成されている,と解され る。なぜならば,もし堆積岩の硬岩であれば,地すべり地形が少なく,また露岩の連続性は良いはずである」とし,いつものように歯切れよく断定されている。 地質図Navi(産総研,20万図「高知」)ではほとんど黒色片岩一色であり,詳細は読みとれない。
 
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