16.0.43 南部北上の石灰岩尾根【岩手県:住田町】

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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p899。第16章図16.0.43石灰岩尾根と谷底幅異常(2.5万図「陸前八日町」より)

岩手県東南部。図で西流する気仙川はこのあと南下して陸前高田市で広田湾にそそぐ。目立つのは母衣下山の山塊。本文では@山頂小起伏面,Aその周りの急斜 面での多くの露岩,B深い谷の未発達,C山頂小起伏面での露岩,などからこの山塊(本文では尾根)は「高透水性の厚い硬岩で構成されたもの,つまり石灰岩 尾根であると解される」とする。その上で「その石灰岩は遷急線の方向と高度(尾根中央部の東面斜面で約500m,西面斜面で約350m)からみて,北北西 -南南東の走向をもち,西へ12度内外で傾斜しているであろう」という。地形的にみて母衣下山の南の蔵王堂岩窟のある尾根も,また図の南端に近い東峰山も 石灰岩尾根であろうと推定する。なお図西部の平沢〜根岸付近の丘陵と,中央やや東の小台と和田野の間の丘陵は,「250m内外の定高性をもち,浅い谷,緩 傾斜面および滑らかな尾根で特徴づけられているので,少なくともその尾根部は透水性のかなり高い軟岩(たとえば深成岩の風化岩)で構成されているであろ う」。ほかにも葉山・八日町・城玖寺の狭窄部などに注目しているので,詳細は本文で。ネットで調べると地質の記載はそのとおりだが,地形からだけで石灰岩 (しかも走向と傾斜まで)とか花崗岩のマサとか判別できるなんて・・・(疑い半分)。もっとも小台〜和田野間の丘陵は,地質図ではマサでなさそうだがね。
 
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