16.0.42 秋吉台のカルスト地形【山口県:美祢市】

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鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p907。第16章図16.0.42石灰岩台地(2.5万「秋吉台北部」より)

山口県の中西部。言わずと知れた秋吉台。図左下方の秋吉台から右上の猪出台にかけての丘陵は,「山頂部が小起伏で,大比高の急斜面(例:烏帽子岳の北西) に囲まれ,高度300〜400mの定高性をもつ高台であり,低谷密度で,大小無数の凹地と露岩があり,草地に被覆されているので,裸出カルストに近い石灰 岩台地であることは明らかである」。小さな凹地はドリーネ,大きな凹地はウバーレという(ウバーレは多数のドリーネが連なって径数kmにもなったもの)。 図の中央やや左下にある帰水を通る北西―南東方向の凹地列は断層の存在を示唆するとしているが,個人的には帰水を通る東西性の凹地形のほうが断層のように 見える。ほかに「三角田川外来河川であるが,大正洞の東方の小さな池で地下に伏流し,尻無谷を形成している」「(佐山の盆地は)谷底に三角田川の運搬した 非溶解性物質が堆積しているので,水田がある」「図北部の,山嶺から鐙峠を経て中河内の北東に至る・・・山地は,高谷密度の必従谷に刻まれているので,低 透水性の硬岩(非石灰岩)で構成されている」などの記述がある。帰水や三角田川の消失地点には流水の吸い込み穴(ポノールという)があるとのこと。

 
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