16.0.32 同斜構造と差別削剥地形【新潟県:柏崎市】

めがね使用16-0-32-3D
鈴木隆介著『建設技術者のための地形図読図入門』(古今書院)第3巻p899。第16章図16.0.32同斜構造の差別削剥地形(2.5万図「法坂」より)

これは練習題。問題文は「図の丘陵部を読図すると,少なくとも八石山を通る主山稜(行政界に一致)の西面斜面は同斜構造をもつ堆積岩で構成されていると解 される。しからば,その読図の論理(地形的証拠)を述べ,A読図結果の概要図を描きBその同斜構造の走向と傾斜を数ヵ所で推定し,C西面斜面を刻む主要谷 の出口から下流に顕著な扇状地や沖積錐の発達しない理由を考察しよう」。図の中央やや下を北東-南西に顕著な地形境界線が走る。その南東側は地層が北西へ 傾斜したホッグバッグ(ケスタ地形より地層の傾斜が大きいもの)らしいと分かる。走向・傾斜は簡単。ただ@Aをきちんと答えるのはむずかしい。またCはど こにピントを絞ればいいのか,西端で北流する河川が埋め立てた可能性,西流する谷が小さくて土石を堆積しない可能性,山地部が沈降傾向で土石を生産しない 可能性,谷が流れて十分時間がたち,平衡状態になっている可能性・・・・とほほである。解答例はp909。Cについては,西流する谷は「下流で勾配が小さ く」(顕著な遷緩線あり),「谷底低地を伴い,流送物質が細粒のため,久之木川を除けば,顕著な扇状地を形成していない」だそうだ。なんだ久之木川には扇 状地があるのか,だったら問題文を少し変更してもらわなきゃ,とまず思った。がよく考えると問題文は「顕著な扇状地・・・の発達しない理由」だから怨んで はいけない。

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